日本酒のあらばしりとは?2つの意味・時期・おいしさの特徴を完全ガイド

こんにちは!ぽんなびです。

あらばしりは飲んだことありますか?これから初めてですか?

実は荒ばしり新ばしりのお酒があり、厳密にはまったく別物なんですよ!

それぞれの意味やおいしさの特徴をぜひ知っておきましょう。

時期や新酒との関係も含めて、今回は以下の内容で「あらばしり」について具体的に紹介しますね。

サッシ
サッシ

お酒の搾り方が関係してくるよ。

ふくみ
ふくみ

お米の収穫の時期も!

日本酒のあらばしりとは?漢字と意味について

はじめに、あらばしりとは何かをハッキリさせましょう。

以下の順番で「漢字の表記」と「意味・定義」について紹介していきますね!

あらばしりの漢字は?

まず、どんな漢字を書くのかから見ていきましょう。

日本酒の「あらばしり」には実は2パターンの表記があるんです。

ずばり以下の2つがありますよ!

「あらばしり」の2つの漢字の当て方
  • 荒ばしり
  • 新ばしり
ひらがな表記のパターン

どちらの表記も実際に売られています。

ひらがなで「あらばしり」の場合もありつつ、漢字が当たるときはこれら2つのどちらかとなっていますよ。

そして大事なポイントはそれぞれ意味が違うということなんです。

荒ばしり・新ばしりそれぞれの意味については次の章で具体的に紹介していきますね。

サッシ
サッシ

「ばしり」の部分は「走り」と書くこともあるよ。

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清酒のあらばしりの意味

漢字がわかったところで、意味について見てみましょう。

「荒ばしり」と「新ばしり」それぞれについて紹介していきますね。

日本酒の荒ばしりとは?

まず荒ばしりから見ていきましょう。

荒ばしりとは「袋から最初に自然に染み出したお酒」を意味しているんですよ。

日本酒は、お米と水から仕込まれてまだドロドロに混ざり合った状態のもろみから酒粕とお酒に分けられて生まれます。

そのとき、醪を酒袋に入れて圧力を加えて濾過することを「搾る」と言うのですが、工程・段階によってお酒は以下の3つに分類されるんです。

日本酒の「搾り」の3段階の分け方(槽搾りの場合)
  • 醪の重みで自然に染み出てきたもの・・・荒ばしり
  • その後、圧力を加えて出てきたもの・・・中取り
  • 最後に圧力を加えて搾り出したもの・・・責め

この3段階の最初の段階で出てきたお酒が「荒ばしり」と呼ばれています。

その名前と関連付けて、袋から我れ先にと慌てて勝手に走り出てきたやつ、みたいなイメージだと覚えやすいですよ(笑)

あくまで搾った最初の段階という意味なので、生酒かどうかや原酒かどうかとは直接は関係ありません。

ふくみ
ふくみ

少量しか取れないから貴重だよ!

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日本酒の新ばしりとは?

お次は新ばしりについてです。

新ばしりはその漢字のイメージ通り「新酒」の意味で使われています。

日本ではお米は11月くらいの秋の時期に収穫されますよね?

稲穂と蛇の目おちょこ

その年度の新米を使ってすぐ作られるお酒が「新ばしり」と呼ばれるわけです。

だから新ばしりと表記されたお酒は新酒のシーズンに季節限定商品として出回ります。

なお、現在は日本酒は冬に作られることが多いですが昔々は秋に収穫した新米をすぐ醸造していたので、俳句で秋の季語にもなっている「新ばしり」とも一致しているんですよ。

ものすごくざっくり言えばワインのボジョレー・ヌーヴォーの「ヌーヴォー(新しい)」と同じっちゃ同じです。

サッシ
サッシ

新酒という意味では初しぼりしぼりたてと同じこと!


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あらばしりの時期は?新酒のことなの?

意味・定義がわかったところで、改めて時期についてハッキリさせておきますね。

まず、「荒ばしり」の場合は特に時期は決まっていません。

お酒を搾る段階の最初のやつという意味ですので、春夏秋冬いつでも存在します。

それに対して、「新ばしり」はいわゆる新酒の時期のお酒です。

具体的には12月前後くらいの冬の時期ですね。

現代では日本酒は冬季に仕込む寒造りが主流ですので。

もちろん新米は秋には収穫できているし通年で仕込む酒蔵もあるので、もう少し広く11月〜4月くらいまでは新ばしりに出会える可能性がありますよ。

ふくみ
ふくみ

ただし実際は「荒走り」と表記しつつ新酒の意味として扱っている場合も多いよ。

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あらばしりの日本酒のおいしさの特徴は?

あとはおいしさの特徴も見ておきましょう。

「荒走り」と「新走り」それぞれ紹介していきますね。

まず、荒走りは白く濁った見た目とシュワッとしたガス感が大きな特徴です。

醪から濾過したごく初期の段階のお酒だからですね。

アルコール度数は低めで、華やかな香り・パンチのある力強い味わいという傾向があります。

それに対して、新走りはフレッシュでみずみずしい香りと味わいが特徴です。

熟成が進んでいない搾りたての若いお酒だからですね。

イメージとしては春・夏を越えて貯蔵されるために熟成されて秋に品質が上がった「ひやおろし」と対照的なキャラクターという感じです!

サッシ
サッシ

両方飲み比べたくなっちゃう。

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まとめ


さいごに、今回の「あらばしり」のポイントをまとめて並べておきますね。

  • 「荒ばしり」と「新ばしり」がある
  • 荒ばしりとは「袋から最初に自然に染み出したお酒」
  • 新ばしりとは「新酒」を指すと思ってok!

「荒ばしり」と「新ばしり」は本来は別の意味ですが、実際は混ざって使われることも多いです。

特にひらがなで「あらばしり」と書いてある場合は酒屋さんに聞いたり酒蔵さんの公式サイトを見たりして確認しましょう!

ふくみ
ふくみ

荒ばしりは少ししか取れないから貴重だよ。

サッシ
サッシ

新ばしりも期間限定だから貴重!

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