こんにちは!ぽんなびです。
純米酒や本醸造酒で見かける「特別」って、正直言って「何が特別なの?」という感じになりますよね。
でもあれはちゃんと法律上のルールがあるので、定義・条件をぜひ知っておきましょう!
特別純米と純米吟醸の違い、特別本醸造と吟醸酒の違いを踏まえつつ、今回は以下の内容で「特別の意味と具体例」を紹介しますね。
「半分は愛情でできてる」とか!?
それはバ〇〇リン。
特別純米酒とは?純米吟醸酒との違いは?
はじめに、特別純米酒から見ていきましょう。
以下の順番で「特別純米酒の定義」と「純米吟醸酒との違い」を紹介していきますね!
特別純米酒とは?定義は何なの?
まず、特別純米酒の意味をハッキリさせましょう。
特別純米酒とは法律で定められた8種類の特定名称酒の1つです。
以下の条件で定義づけられているんですよ。
- 原料に使用しているのは米・米麹だけ
- 精米歩合が60%以下 又は 特別な製造方法(説明表示が必要)
原料が米・米麹のみという条件を満たせば「純米」が名乗れます。
さらに、精米歩合が60%以下か特別な製法をしていれば「特別」を付けることが可能です。
2つを合わせて「特別純米酒」というわけですね。
米・米麹を使っているだけならただの純米酒だよ!
純米吟醸酒との違いは?
さぁ、ここからが本題です。
実は純米吟醸酒も特別純米酒と似たような条件なんです。
国税庁の清酒の製法品質表示基準にハッキリ書かれているので比較してみましょう。
両者を並べてみると以下のようになりますよ。
【純米吟醸酒】
- 使用原料:米・米麹
- 精米歩合:60%以下
- 香味等の要件:吟醸造り、固有の香味、色沢が良好
【特別純米酒】
- 使用原料:米・米麹
- 精米歩合:60%以下又は特別な製造方法(要説明表示)
- 香味等の要件:香味、色沢が特に良好
めっちゃ似てる!
そう、「原料は米・米麹のみ」と「精米歩合60%以下」という点はまったく同じなんです。
だから特別な製法をしているかと香味・色沢の方向性の2つがポイントとなってきます。
それぞれもうちょっと掘り下げてみましょう。
まず、特別な製法については例えば以下のような具合ですよ。
- 他のお酒と使っているお米が違う
- 他のお酒と使っている酵母が違う
- 特別なやり方で火入れをしている
例えばその蔵の他のお酒は「山田錦」のお米を原料にしているとしますね。
その中であえて「五百万石」を使っていれば特別な製法と言えるわけです。
特別な製法によって特別純米酒を名乗るには「何が特別なのか?」を表記して説明する必要があるので、ぜひラベルをチェックしてみてくださいね。
もしくは香味・色沢の方向性も純米吟醸酒と特別純米酒の分かれ目です。
わかりやすい例では吟醸香ですね。
吟醸酒はフルーティな香りが特徴です。
だから華やかな香りのイメージを強調したいなら「純米吟醸酒」を、他の路線を目指しているなら「特別純米酒」を名乗るという傾向もあります。
純米吟醸酒と特別純米酒の違いは「特別な製法をしているか」と「香味・色沢の方向性」の2点だと覚えておいてくださいね!
酒蔵さんがそのお酒の「どこを感じてほしいか?」次第なんだね。
特別本醸造酒とは?吟醸酒との違いは?
特別純米酒についてわかったところで、お次は特別本醸造酒について見ていきましょう。
以下の順番で「特別本醸造酒の定義」と「吟醸酒との違い」をわかりやすく紹介していきますね!
特別本醸造酒とは
まず、特別本醸造酒とは何かをハッキリさせましょう。
特別純米酒や大吟醸酒などと同じく、特別本醸造酒も8種類の特定名称酒の1つです。
定義は以下のようになりますよ。
- 原料に使用しているのは米・米麹と規定量内の醸造アルコールだけ
- 精米歩合が60%以下
純米酒系と違い、本醸造系は醸造アルコールの添加が特徴ですよ。
まず、原料の条件をクリアすれば「本醸造」が名乗れます。
さらに精米歩合が60%以下ならば「特別」も名乗れるようになります。
それらを合わせて「特別本醸造酒」というわけですね。
70%以下だとただの「本醸造酒」だよ!
吟醸酒との違いは?
では、吟醸酒との違いを見ていきましょう。
純米吟醸酒と特別純米酒の関係のように、吟醸酒と特別本醸造酒も似たような点が多いんです。
再び国税庁の清酒の製法品質表示基準に書かれている内容を並べてみましょう。
吟醸酒・特別本醸造酒それぞれ以下のようになっていますよ。
【吟醸酒】
- 使用原料:米・米麹・醸造アルコール
- 精米歩合:60%以下
- 香味等の要件:吟醸造り、固有の香味、色沢が良好
【特別本醸造酒】
- 使用原料:米・米麹・醸造アルコール
- 精米歩合:60%以下又は特別な製造方法(要説明表示)
- 香味等の要件:香味、色沢が特に良好
純米吟醸酒と特別純米酒の関係とほぼ同じですね!
違いは醸造アルコールが添加されているかどうかだけです。
つまり吟醸酒・特別本醸造酒の分かれ目も以下の2つの点がポイントとなります。
- 特別な製法をしているか
- 香味・色沢の方向性
その酒蔵さんの他のお酒にはないスペシャルな取り組みを強調したいなら「特別本醸造酒」を名乗るわけです。
逆に、フルーティな吟醸香を前面に押し出したいようなときは「吟醸酒」を名乗るという具合ですね。
純米吟醸酒・特別純米酒の場合と同じく、やはり造り手さんがそのお酒のどこをもっとも感じてほしいかによって決まると言えます。
優劣ではなく、方向性の違いと理解しておきましょう!
つまり特定名称酒の「特別」の意味とは?
特別純米酒・特別本醸造酒それぞれについて意味がわかりましたね。
では、それを踏まえて「特別」の意味をあらためてハッキリさせておきましょう。
日本酒の特定名称酒における「特別」とは以下の2点のことだと言えますよ。
- その蔵の他のお酒と比べて特別な製法をしているか
- 香味・色沢が特に良好か
純米系も本醸造系も、特別を名乗るには「原料の規定」と「精米歩合60%以下」をクリアという点はまったく同じです。
使用原料の規定を満たして精米歩合が60%以下なら「特別」と「吟醸」のどちらを名乗ってもいいわけなんですよ、理屈だけで言えば。
「香味・色沢が特に良好か」なんて主観・感覚でしかないですからね。
でも実際は「まーどっちでもいっか」で適当に決める蔵元さんなんかまず居ないわけで。
何かしらの特別さを押し出したいのか、吟醸さを押し出したいのか。
そこに込めた想いで「特別」なのか「吟醸」なのかが決まると覚えておきましょう!
まさに作り手さんの想いが「特別」なんだね。
まとめ
さいごに、今回の「特別純米酒・特別本醸造酒とは?」のポイントをまとめて並べておきますね。
- 使用原料・精米歩合としては純米吟醸酒・吟醸酒と同じ
- ポイント1:その蔵の他のお酒と比べて特別な製法をしているか(例:使用するお米)
- ポイント2:香味・色沢が特に良好か(逆に、吟醸香を押し出したいなら吟醸酒を名乗る)
もちろん特別純米と純米吟醸、特別本醸造と吟醸酒のどちらが優れているというのはないですよ。
あくまで方向性の違いと捉えておきましょう!
同じお酒で特別純米・純米吟醸どちらも出しているものもあるよ。
それで飲み比べするとよく分かるね!